3月31日で南条小学校が閉校することを知っているかのように,例年よりも早く南条小の桜は開花し,満開の時季を迎えました。花壇には鮮やかで色とりどりの草花が咲きほこり,チョウやミツバチもたくさん集まってきました。ビオトープには卵からかえったばかりのおたまじゃくしが泳ぎ回り,周りの木々の間からは小鳥たちのさえずりとともに,ウグイスの鳴き声も聞こえています。こうして,厳しい冬の寒さを乗り越えて,ようやく南条の地にも本格的な春がやってきました。
思い起こせば,突然の臨時休業の決定で,子どもたちの最後の下校を見送った2月28日。あの日から,止まったままになっていた南条小学校の時計は,南条小最後の9名の卒業生を送り出した3月18日にようやく未来に向かって動き始めました。そして,119年の歴史に幕を下ろす「南条小学校最後の日」が,とうとうやってきてしまいました。
♪この坂道 のぼったら 南条小があります♪
残念ながら,毎朝この坂道をのぼってくる子どもたちの姿を,もう見ることはありません。しかし,子どもたちを見守り続けてきた坂道,子どもたちが走り回ったり遊具で遊んだりしたグラウンド,そして子どもたちの笑い顔につつまれていた南条小学校は,今日もここにあります。そして,南条小学校で過ごしてきたたくさんの楽しい思い出は,一人一人の心の中に永遠に刻まれていることと思います。
南条小学校は,保護者や地域の方々のご理解とご協力をいただくことで,大きな成果を上げてまいりました。これまで,多大なるご支援を賜りましたことに,深く感謝申し上げます。
この自然豊かで,たくさんの緑に囲まれたすてきな南条小学校は,永遠に「私たちの自慢の学校」です。この先,新しい小学校や中学校へ進み,さらに成長して大人になっても,「南条っ子」たちの周りには,笑顔いっぱいの友だちや優しい家族,そしていつも見守り続けてくれる地域の方々がいます。いつまでも,「笑顔かがやく 南条っ子」で居続けてほしいと願っています。
♪閉校しても この坂道は ずっとここにあります♪
令和2年3月31日
横芝光町立南条小学校長 市原 喜郎 |


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